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真実アイロニー【完結】
第3章 黒く塗り潰してしまったのは。
初めての授業が終わり、職員室に戻った俺は一息つく。
後で授業の段取り、もうちょっと考えよう。
少しだけ反省しながら、机に向かう。
「どうでしたか?初めての授業は」
ふいに後ろから声がかかり、振り向くとそこに立ってたのは教頭先生だった。
体を向けて、手を頭の後ろにやると口を開く。
「いやあ、ぼちぼちってとこです」
「はは。まあ、徐々に慣れていけば大丈夫ですよ」
「はい、頑張ります」
ぽんぽんと俺の肩を軽く叩くと、教頭先生は踵を返して自分の机に戻っていった。
机に向き直ると、さっきの教頭先生の言葉を思い出して、小さく気合いを入れた。
それから授業をこなしていき、あっという間に放課後になった。
合間を見て宇津木先生に話を聞こうにも、中々タイミングが合わず小早川さんについて聞けず仕舞いだった。
小早川さんに直接聞きたいんだけどな。
でも、話してくれるかな。
今朝の様子じゃ難しいだろうな。
二人きりになるチャンスなんて中々なさそうだし。