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真実アイロニー【完結】
第4章 見つめるその先に。
その翌日も、俺は同じ様に桜並木に向かった。
その翌日も。また翌日も。
二週間経っても、欠かさずに。
だけど、小早川さんがいたのは最初だけで、それ以降見かける事はなかった。
教室に入ると、小早川さんはいつも通りのスタイルで、外を眺めている。
そして、誰とも関わらない。
声をかけるタイミングもなくて、朝登校途中おはようと声をかけるぐらいだった。
もちろん、無視されるんだけど。
だから、それは突然だった。
「早乙女先生」
職員室で、提出物をまとめているとそう声がかかって俺は振り向く。
後ろに立っていたのは、美術の久嶋先生だ。
「久嶋先生、どうしたんですか」
体を向けて、俺は久嶋先生の言葉を待った。
「おたくのクラスの小早川さん、どうにかなりませんか」
「え?」
小早川さん?
話についていけない。