この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
真実アイロニー【完結】
第2章 運命だとしても
体育館の中からはきゃあきゃあと騒ぐ、生徒の声。
元気があるって、いい。
俺もパワー貰える。
教師という職業を俺は好きだった。
教職の道を目指したのは、あるニュースだった。
散々報道された、青少年の自殺のニュース。
それを特番としてた番組で、自殺してしまった子供の遺したメッセージを泣きながら読む親。
それに、気付けば涙してる俺がいた。
知り合いでも何でもないくせに、泣いてた。
なんて偽善だと、思った。
だけど、誰かが救ってやれなかったのかって本気で思った。
そんな子供を出したくなくて、俺は教職の道を選んだ。
それは驕りだと誰かが言うかもしれない。
教師は神様でも何でもなく、一人の人間だ。
だから、誰かの心を救う事なんて出来るかはわからない。