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真実アイロニー【完結】
第2章 運命だとしても

赴任して来て、初めて潜る校門。
職員室で教頭と挨拶を交わし、簡単な説明などを受けた。


薄くなった教頭の頭。
それを指先でぺちぺちと叩きながら、のっそりと話す言葉に耳を傾ける。



「えー、ではこれからよろしくお願いします。早乙女、えーながひさ君、かな?」


名前が書いてある紙を、目を細めながら見る教頭に俺は笑顔で返す。


「はい、永久です。これからよろしくお願いします」

「それと、早乙女先生の受け持つクラスだけど……」

「はい?」

「あ、いや、それは後でにしよう。
体育館に急がないとな」

「ああ、…はい」


そんな教頭の様子が少しだけ腑に落ちなかったが、大して気にせず俺は先に歩く教頭の後ろをついて行った。

どこにでも何かしらあるしなあ。
ぐらいにしか、この時は思ってなかった。
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