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愛しては、ならない
第43章 こわれる
「も――、またそう言う事を言う」
「ふごっ」
彼に鼻を軽く摘ままれ変な声をあげてしまったが、彼は可笑しそうにまた笑う。
「旦那様とか、剛に言われた時にもそんな反応するの?
それ、あんまり良くないからね。
女の子は男に誉められたら素直に受け取ってハッピーな気持ちになってればいいの!」
「……そ……そういうものなの?」
「そうそう、で、ハッピーな菊野さんを見て愚かな男達は気分が良くなるんだから」
「……愚かって……」
「男なんて、皆単純で阿呆なんですよ」
そんな事を話しながら出口ゲートをくぐると、タクシーが停まっていた。
彼が片手を挙げると後部席のドアが開く。