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愛しては、ならない
第48章 喪われた記憶と

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どれだけの時間が経っただろう。
悟志は果てても尚私を求め、また果て、再び私を攻めて――
私もその度、抵抗も出来ずに淫らに感じて声を上げて、更に快感を得ようと自ら腰を振った。
まるで、盛りのついた動物みたいに。
行為に夢中になっている時には何もかもを忘れていられた。
けれどこうして素に戻ると、罪悪感と、嫌悪で一杯になる。
悟志と――自分の夫とセックスしただけなのに。
それはごく当たり前の行為なのに。
何故こんなに虚しくて、悲しいのか。
――私は、やっぱり最低なんだわ……
剛さんに抱かれても、悟志さんに抱かれても、森本君に触れられても、感じてしまうなんて……
それに、剛さんが今何処でどうなっているのかも分からないのに、目の前の快楽に溺れたりして……
自分がとんでもなく汚れた様に思えて、胸がムカついて来る。
私は、漸く眠った悟志の腕からそっと抜け出し、病室の設備の浴室へ入り、シャワーの栓を捻った。

