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愛しては、ならない
第55章 ウエデイングブーケ



真歩は、背中に蝶の羽を思わせる大きなリボンの付いたドレスを纏い、結わえられた髪にはピンクの薔薇とカスミソウが飾られて、完璧な花嫁姿だった。

ドレスに負けない真歩の美貌は、今日は一段と輝いていて、思わず見惚れてしまう。




「真歩……すっごく素敵だよお」

「ふふ……ありがと。二十代で花嫁にはなれなかったけど、別にそんな事はもうどーでもいいわよ、要は愛よね」

「あはは、本当だね」

「菊野も可愛いわ……あんたは全然変わらないのね」




真歩は、白い手袋を外して私の髪に飾られた花の位置を直す。

真歩とお揃いでピンクの薔薇をつけてもらったのだ。



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