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愛しては、ならない
第55章 ウエデイングブーケ
「本当に……あんたって昔からそうよね。ぽや~っとしてるように見えて、たまにドカンと突飛な事をしでかすのよ」
「……ま、真歩だって……ビックリさせたじゃない」
「えへ……そっか」
真歩と私は顔を見合わせて笑った。
真歩とは、あの電話の後一切連絡を取っていなかったが、それから二年後に思わぬ形で彼女の近況を知る事になったのだ。
何気無くテレビを見ていたら、真歩がアップで映ったのだ。
お茶を飲もうとしていた私は、危うく噴くところだった。
『農家男子と結婚したい!』
というタイトルのドキュメンタリーとバラエティーが合わさったような特番で、東北の農家の独身男性と、全国から応募してきた中選ばれた女性達が一ヶ月ログハウスで共同生活をして、その様子を追う、という物だった。
男性が五人、女性が八人、という構成で、共同生活の終わりのあかつきにはお互いが意中の異性に告白をする。
晴れて両思いになるカップル、告白するも玉砕する男性に女性、ひとりの男性を巡って二人の女性が火花を散らしたりと、中々見応えのある番組で、しかも真歩が出ているということで、そのまま最後まで釘付け状態だった。