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愛しては、ならない
第61章 愛しては、ならない
俺はゴクリと喉を鳴らし、誘うような彼女の唇を貪った。
ピクリ、と彼女の瞼が動き、僅かに開いた瞼の間から黒目が覗く。最初は朦朧としていた彼女は、俺の舌と指の動きであっという間に覚醒し、甘い声を洩らした。
「ん……もう……ダメよ……っ」
その蕩ける艶声は、嫌がるどころか寧ろ、俺を煽る様に聞こえる。
「だから……菊野のダメ、は信じない」
咎める様に俺を見る彼女を再び組み敷き、太股を掴んで大きく広げ、俺は再び自分を沈ませる。
彼女が正気に戻って、俺を拒絶する前に。
俺の恋情に当てられて彼女が昂っているのは、夜の間だけなのかも知れない。
この雨が、雷が、風の音が、彼女を狂わせているのかも知れない――