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愛しては、ならない
第61章 愛しては、ならない
「菊野……俺を……受け止めてくれ――」
「ああ……っ剛さ――!」
「菊野――!」
極限にまで硬く熱く猛った獣の欲を、蕩ける程に熱をもった菊野の中へと躊躇わずに放つ。
彼女を抱き締めたまま、俺はあまりの心地好さにそのまま眠ってしまった。
柔らかい日溜まりに包まれて微睡む夢を俺は見ていた。
それは、たまらなく優しくて、目覚めたくないと思ってしまう程に幸福な夢――そんな夢を見たのは初めてかも知れない。
菊野は俺を胸に抱きながら、俺の髪を撫でていた。
その瞳に涙を浮かべて、小さく愛を呟いていた事を、眠る俺は知らなかった。