この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第65章 BEDTIME STORIES
菊野が真っ赤になった。
「……そんなに見られてると……緊張して身体に変な力が入るし……筋肉痛と不整脈になりそう……」
「ぶっ」
剛は吹き出し、彼女の胸に顔を埋めてくつくつ笑った。
「やっ……くすぐったいってば!剛さんてばーー」
「ーー菊野」
剛はふと笑うのをやめて、菊野の顎を持ち上げた。
菊野の頬がまた鮮やかに染まる。
「言うことを聞いてくれるのなら……ひとつだけ」
「なあに……?」
少しの不安とときめきで胸一杯になった菊野は、掠れた声できく。
剛の切れ長の瞳が一瞬歪んだ。
「俺のーー」
きらきらした黒目だ。と思った。好きな絵本を読んでもらっている時の幼い子供のような。俺の願いはひとつしかない。あなたに、ずっとそばにいて欲しいーーそれだけだ。
でも、かなわないことくらい知っている。
「……そんなに見られてると……緊張して身体に変な力が入るし……筋肉痛と不整脈になりそう……」
「ぶっ」
剛は吹き出し、彼女の胸に顔を埋めてくつくつ笑った。
「やっ……くすぐったいってば!剛さんてばーー」
「ーー菊野」
剛はふと笑うのをやめて、菊野の顎を持ち上げた。
菊野の頬がまた鮮やかに染まる。
「言うことを聞いてくれるのなら……ひとつだけ」
「なあに……?」
少しの不安とときめきで胸一杯になった菊野は、掠れた声できく。
剛の切れ長の瞳が一瞬歪んだ。
「俺のーー」
きらきらした黒目だ。と思った。好きな絵本を読んでもらっている時の幼い子供のような。俺の願いはひとつしかない。あなたに、ずっとそばにいて欲しいーーそれだけだ。
でも、かなわないことくらい知っている。