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愛しては、ならない
第19章 恋の業火
ピリリリリ……
アラームのスヌーズが鳴っている。
何回目だろうか。
もういい加減起き出さなくては……
横になったまま、手を伸ばしアラームを止めようとしたが、上手く取ることが出来ずに額にバンと時計が落ちてきた。
「い――っ痛いっ」
クラシックな形の目覚ましは、その形状が可愛くて気に入っていたが、頭に落とすとこんなに痛いとは思わなかった。
普通の四角い時計よりも重いのだ。
「もうっ……
メチャクチャ痛いんだけどっ!」
私は額を擦りながら、自分が落とした癖に時計に憎まれ口を利いた。
真夜中に目が覚めてから剛の部屋へ行き、暫く彼の寝顔を見ていたのだが、空が白み始めてようやく私は寝室へ戻った。
それから瞼を閉じたものの、やはり眠れなかった。