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愛しては、ならない
第24章 滅ぼせない恋情③
森本は、まるで少女漫画の一場面で花をしょって登場するヒーローの如く華やかな笑みを浮かべた。
「ふふ……
そんなに素直にビックリした顔をされると、苛めたくなりますね」
「へ……えっ……ええっ」
狼狽え、変な声を出してしまう私に森本はお腹を抱えて笑っている。
大人の女として、余裕を持って高校生のからかいをかわす事も出来ない自分がとてつもなく馬鹿みたいだ、と思う。
自分は昔からそんな処が成長しないままだ。
軽く自己嫌悪に陥り唇を噛むが、森本はそんな私を面白い物を発見した子供の様に目をキラキラさせて見ていた。
「菊野さん、俺、剛の代わりに頑張って新入生挨拶やりましたよ」
私は、その一言でハッと我にかえり、彼に頭を下げる。
「わ……私が倒れたせいでごめんなさい!」