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愛しては、ならない
第27章 絡み合う、蔦
(――何故泣くんだ)
そう聞きたいのに、喉まで出かけた言葉が詰まり、声が出ない。
彼女は、俺を見詰めしゃくり上げて、顔を逸らした。
苦い切なさで俺まで泣きたくなった。
――俺は、怖くなっていた。
彼女を抱いている時には、恋と快感しかこの世界にはなかったのに……
彼女とやっと確かめ合えた。
思いが叶ったと、喜びに震えたのに……
今、彼女がその口で何を言うのか、怖かった。
好き、と言われたのに。
熱く、抱き合ったばかりなのに。
もうこんなに不安を感じている……