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愛しては、ならない
第5章 戸惑いの始まり
「はあ――っ!」
私は溜め息と呼ぶには大きすぎる声を上げて、カフェのテーブルに突っ伏した。
頭をこちょこちょと撫でる感触がして気持ちがいい。
「な~るほど。その剛って子、なかなか手強い男ねえ」
頭を撫でているのは、菊野の小学校からの友人の
唐沢 真歩(からさわ まほ)。
真歩は家庭教師の仕事をしている。
高校生まで教えられる腕前で以前は有名な学習塾で教えていたのだが、年上の妻子持ちの教師と関係を持ってしまい、そのゴタゴタで辞めてしまったのだ。
それに、真歩は元々職場に不満を持っていた。