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愛しては、ならない
第30章 彼しか見えない

「おかしな剛さん……」
クスクスと笑いを溢す私を、彼は怒った様に一瞬睨むが、その口の端を上げて、余裕たっぷりな表情に変化する。
その変貌に驚く私をサッと抱き上げて、寝室へ向かって行く。
「待って……っ……駄目よ……」
「大きな声を出すと祐樹に聞こえますよ」
「――っ」
「アイツも、寝室から聴こえる俺と貴女のベッドの声を耳にしたら察するでしょうね……
まさかこんな夜中に、俺達が寝室で仲良くトランプしているなんて思いませんよ」
「……!祐樹には……そんな……絶対に駄目……っ」
考えただけで血の気が引いてしまう。
もし、あの子にこんな事を……知られたら……

