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愛しては、ならない
第30章 彼しか見えない

彼のパジャマの布を強く掴みながら、与えられる烈しい口付けを受け止める。
微かに揺れる真っ直ぐな髪も、彼の吐く熱い息も背中を撫でる長い指も――
何もかもが恋しかった。
「菊野さん……っ……菊野……
もう少し、力を抜いて……」
「う……うん……」
「……まだ、強張ってます……」
「え……そ、そう?」
「……こんなに強く腕を絡ませていたら、脱がす事が出来ないです」
「――っ……」
無意識に、私は力一杯彼を抱き締めていたのだった。
恥ずかしさに顔を逸らし、腕を緩めると、直ぐ様彼はパジャマの前を左右に拡げた。
「やだ……!!」
慌てる私に構わず、彼は乳房に顔を埋めて舌を這わす。

