この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第30章 彼しか見えない
――私も、貴方だけの物よ……
口まで出かかって、その言葉を飲み込んだ時、彼の唇が塞ぎ、何も言えなくなった。
熱いキスで咥内を、彼の猛りで身体の最奥を掻き回されて、もう正気を保って居られない。
彼にしがみつき、唇を塞がれたまま、狂ったように私も腰を動かしながら喘いだ。
――もっと、もっと愛して……
私を見詰めて、身も心も貫き続けて欲しい……
明日には、もう貴方を突き放さなければならないかも知れない……
だから……今は……思い切り愛して……
私は……嘘でも、貴方だけの物にはなれないけれど……でも……
それでも貴方を好きなの……
「――ゆ……るし……て」
その呟きが漏れた瞬間(とき)、剛と私は同時に昇りつめ、崩れ墜ちた――