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愛しては、ならない
第34章 恋の短夜(みじかよ)
「――っと……」
シャツの襟元を強く引っ張られ、俺は彼女の顔の横に両手を突いてバランスを取るが、唇が触れ合う寸前まで間近になる。
ごく近くで見る彼女の瞳の中には、俺がいた。
彼女も、俺の瞳の中に自分を見ているのだろう。
ゆっくりと、舌足らずに彼女は呟いた。
「ゆ……祐樹はすごく寝付きがいいの……
一度眠ったら……朝まで起きないわ……
だ……だから」
「――だから?」
わざと惚けて、その次を言わせる様に促すと、少し怒った様に唇を突きだして頬を膨らませている。
「もうっ……剛さんの意地悪……
言わない!」