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愛しては、ならない
第34章 恋の短夜(みじかよ)
昇りつめ気を失った菊野の指は、俺の腕を離れ、ベッドのシーツの上に落ちる。
ベッドに広がる彼女の黒く長い髪は、白いシーツの色と窓から洩れる月明かりの金色とで、一枚の絵の様に美しかった。
まだ赤みの差す頬に掌で触れると、吸い付きそうな滑らかさに俺はうっとりと瞼を閉じる。
どこまでも優しい、安らぐ感触。
触れてみて、こんなに心地よい物を他に俺は知らない。
いつまでもこうして貴女に触れていたい。
不意に腹の下の猛りがビクリと疼き、俺は歯を食い縛った。
意識を手放して眠る菊野は、小さな子供のように無邪気に口元を緩めている。
ぞんな彼女を見詰めていると、このままそっと眠らせてやりたい気持ちにもなるが、淫らな欲の火が点った俺の身体はどこまでも正直だ。
彼女を貫き、掻き回し、その中で欲を放ちたいと、猛りは硬さを増していき、俺は堪らず呻いた。
「く……菊野……っ」
思わず彼女を呼んだ時に、彼女の唇が返事を返す様に小さく開いた。
それを見た瞬間、俺の我慢は限界を迎えた。