この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第36章 愛憎

(――もしも聞かれていたら……)
悟志があんな状態なのに、養子の剛とこの家でセックスに耽っていた事が彼女に発覚したら、私は間違いなく軽蔑されるだろう。
もう二度と友達に戻れないかも知れない。
真歩にだけではない。祐樹がこの事を知れば、深く傷ついて、私を拒絶するだろう。
もし、そうなったらどうなるか――少し考えれば分かる事だ。
分かっていて私は剛と愛し合った。
危険で罪深い行為を、何度も繰り返した。
もう、無かった事には出来ない。
記憶からも、この身体からも、彼を追い出す事なんて不可能なのだ。

