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2年目の関係
第10章 翌朝〜

バッ――――!!
ホテルを出た途端、渉は振り払うように私の手を離す。
「ちょっと、渉っ!?」
さっきまで汗ばむくらい握っていたのに、山之内くんの前の振りだった訳〜!
もうぅぅ〜!
今から、山之内くんの所に戻ってやろうかしら!
唇を尖らせて、ブーたれていると――――
「穂……3人になるの嫌か?」
渉が震える声で、聞いてきた。
さっき言っていた――――
私たちの『子ども』だよね?
「別にぃ〜! 嫌じゃないけど……大変なの私の方なんですけど!」
「あぁ……分かってるよ……」
「そうなったら家事も分担してくれないと、辛いし〜」
「何でも、やるよ!」
「……渉、そんなに子ども欲しかったタイプ?」
素直過ぎて、怪しんでしまう。
「煩いなっ! ほら、行くぞ!!」
渉は私に顔を背けながら、再び私の手を握り締めた。

