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2年目の関係
第10章 翌朝〜

それって……山之内くんが私のこと――――
知っていて、渉は私と――――!?
あの10年前の夏の真実に、呆然と立ち尽くす。
「渉……今のって……」
「わぁぁぁぁ〜! それはまた今度! じゃぁな、結!」
指先まで真っ赤になった渉が、私の手を引っ張ってカウンター行こうとすると――――
「あっ! 結婚記念日祝いに、宿泊代払っておいたから!」
「なんっ!」
「えぇぇぇっ! 悪いよ!」
「渉っ、今度何か奢れよな!」
山之内くんは気にした様子もなく、ウィンクでキメてくる。
きゃぁぁぁ〜!
やっぱり山之内くん、プリンス〜!
目ん玉がハートになって、飛び出しそうな気分だ。
「山之内くぅん」
「結、分かった! 穂、帰るぞ!」
猫なで声の私を渉は早足で引き摺り、入り口に方向転換した。

