この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
2年目の関係
第10章 翌朝〜

「渉にメールしたんだ。『今俺、穂とホテルで飲んでいるよ』って……。そうしたらいつもは返信遅いくせに、速攻返事を寄こしてきてさ〜。くっくっくっ」
山之内くんは口元を押さえて、愉快そうに肩を揺らす。
「う、うるせぇな……」
渉は蚊が鳴くみたいな、情けない声になっていた。
そっか――
渉一応、焦ってくれたんだ。
普段見せない渉の裏の顔に、胸の奥がキュッとくすぐったくなった時――――
山之内くんは、更に暴露トークをし始めた。
「ちょっと意地悪してやろうかなって。だって渉ったらさ、高3の時俺が穂のこと気になっているって言ったら、夏休み明けに『穂と付き合うから』って言ってきたんだよ。コイツ!」
「高3の夏休み……」
途端、ミーンミーンと――――
渉と初エッチした、あの日の蝉の鳴き声が聞こえて来た。

