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刑事とJK
第89章 次のステージへ
――――――――――
カタカタと、キーボードを打つ音が延々と聞こえる
吉川は思った以上に飲み込みが早く、次々とアルファベットを数字へ変換していく
「Agzjdzjmzbmp…」
岩崎はお経でも唱えるかのように、飛鳥に伝えていく
カタカタカタカタ…
飛鳥は、岩崎の言葉を一文字たりとも聞き逃したり聞き間違えたりできない
ただ耳と指先に全神経を集中させた
「…」
集中していて、他のことを考えている余裕などない
そう思えたが
頭のどこか片隅で"あたしが役に立っている"という充実感を感じていた
一生懸命デスクに向かって作業する飛鳥を見て
岩崎は思った
…あんなに、小さかった子が…今ではこんなに大きくなったんだね
「…hfkezrataz…」
まずいな
声が震えてきちゃったよ…
「jnpbg…dktz…」
ゆうひの時に散々泣かされたのに…
我慢しなきゃいけないなんて…
つらい
な…
――――――――――
「よし、また開いた」
2つ目、そして3つ目…柵はどんどん上がっていった
『だんだんスピードも上がってきてるみたい』
斉藤とゆうひは、先に突き進んで行った