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刑事とJK
第100章 根城の裏で笑う者~後編~
「ーーーその後…警察が押しかけて、部屋から出てきた遺書から、恭子は自殺したと断定されました」
静けさが辺りを包み込む前に、目をつむっていた斉藤は嘉山に視線を送った。
「自殺した理由は?」
「彼女の友人の…裏切りでした」
鉛を顎にくっつけたように、嘉山の口調は重々しい。
「遊びに行く約束をした恭子の友人は、もともと恭子のことを良く思ってなかったんです」
なかったモノ。
それはどうしようもなく欲しかったモノ…
ある日突然目の前に現れ、恭子はこの上なく喜んだ。
しかし…
「結局はいじめですよ…普段の彼女ならそのくらいで自殺するわけない。
でも…友人と過ごせるはずだった楽しい休日は、彼女にとって地獄だったに違いない…」
「…一気に人が信頼出来なくなったって感じか…よくある話だ」
「そうですね。
なんでも、友人たちは恭子の裸を撮って売ったそうですよ」
淡々としていた。
その瞬間の嘉山には感情も何もないように思え、斉藤は知らず知らずのうちに生唾を飲んだ。
恭子に関しては…
その友人だった人間の行為によるショックの大きさから、自殺したのだということだった。