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刑事とJK
第90章 愛が欲しいだけだった
「あと…50分程度で、ここはなくなる。
それまでそこでじっとしていろ」
「…おめぇ、名前は?」
斉藤が男に名前を尋ねたことに対し、ゆうひは驚いた
こんな時に、なぜ名前なんかを聞いているのか…と
「名前…河瀬(カワセ)
下は、…もうどうでもいいや」
「河瀬…"飽きた"っつぅわけ、言ってみろ」
「何で?」
「言え」
斉藤のガンとした態度に、河瀬は渋々口を開いた
「…モテないんだ」
「は?」
耳を疑った
「モテないんだよ、女に」
河瀬はカクンと首を傾けた
「来る日も来る日も寂しくて…
ふと町を歩けば、俺以外の人間が幸せそうに暮らしているのが目につく」
河瀬はバンッと床を踏み鳴らした
「見ていてムシャクシャする」
あくまで顔は、無表情だが…
『自分勝手も大概にしろっつの!!!』
「おいゆうひ…」
ゆうひは一歩前に出た
『そういう馬鹿な考えにしかたどり着かないようだから、モテないんでしょ!!?
こっちはいい迷惑なの、装置を止めて!!』
怒りに任せ、怒鳴り散らした
「じゃああんたは、俺を好いてくれるか?」