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刑事とJK
第99章 根城の裏で笑う者~前編~
進むたびに、人が増えて行く。
普段見ない警察課の人間も、数多くいる気がした。
「ほら、あれ見ろよ」
吉川が指差した方に目を向けると、人集りが出来ていた。
「あれ、刑事課室の前じゃねぇか」
「ああ、それから…ほら、あの婦人警官」
「?」
吉川は口を押さえた。
「いい尻…ちょっとめくったらパンツ見えちゃいそ…」
「黙れ」
冷たく制する斉藤に、吉川は笑顔を向ける。
「冗談冗談。
そんなことより、中に入ろうぜ?
みんな斉藤が来るのを待ってたんだからよ」
「はん、期待されてんじゃねぇか」
「いや、お前の出勤が遅すぎなんだ」
「…あぁ…そうかい」
刑事課室に入ると、さらに人がごった返していた。
もう歩くことも困難だ。
「マジで何だよ、この人数?
まさか刑事課内で殺人が起きたなんて言うんじゃねぇだろうな」
「その、まさか」
「え?」
すると吉川は、「斉藤が来ました!!」と大声を上げた。
その後に、どこからともなく「整列ー!!」と聞こえてくる。
途端に刑事たちは動き出して列に並び、乱れていた部屋の中は整った。