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刑事とJK
第99章 根城の裏で笑う者~前編~
「だからみんなのお尻をチェックしてたんですね」
「まあな」
「それで、収穫はあったんですか?」
「ちょっとはな」
腰に手を当てると、うんと背中を伸ばす。
外はだいぶ暗くなってきたようで、蛍光灯の明かりが一層際立つ。
「お腹…空きましたね」
「おめぇ、昼飯食ってなかったからなぁ」
食っときゃよかったのに
と、斉藤の目が言っていた。
「仕方ねぇ、オレは今日は署内に泊まり込むつもりだけど、おめぇはどうする?」
「え、あ…そうですね…じゃあ僕も…」
しかし嘉山は、少し気になっていたことを話し出した。
「斉藤刑事は…犯人が僕だとは思わないんですか?」
「…あ、忘れった」
「!!!!」
「冗談冗談、ちゃんとその線も考えた上で捜査してるっての」
ニカッと笑った顔を前にすると、文句の一つも言えない。
「でも逆に、オレが犯人だとは思わねぇのか?」
「…それは…中島刑事課室長が捜査に選んだ人なんだから、犯人であるはずが…」
「それは犯人にしかわかんねぇ。
中島さんだって知らねぇんだよ、誰が犯人なのか…」
身内に犯人がいるという確率の高い予想も、結局のところ完璧ではない。
しかしその不明瞭な地図でしか、捜査の道を照らしてくれるものはない。
「捜査の方向が間違ってたなら、必ずどこかでぶち当たる。
けど、その時は引き返せばいい。
もしかしたら、真相への近道を見つけられるかもしれねぇ」
「"真実はいつもひとつ"ですからね!!」
「…それ何かのパクリだろ」