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刑事とJK
第16章 過去



―――――――――――


斉藤正貴(21)


藤野泰輔(タイスケ)(23)




二人は今日から刑事になった


刑事課室長の中島からは、適当な挨拶がされ、
それぞれに担当の刑事(つまり先輩にあたる刑事)が紹介された




「藤野君には、北田君についてもらうよ」


「よろしくな、藤野!!」



「よろしくお願いします!!」


北田はがっちりとした
ガタイのいい男だった




「それから、斉藤君には…
村上君についてもらう」



斉藤はどんな強そうな奴が出て来るのかとワクワクしていたが、
その期待は大いに外れた





『あんたが斉藤か?
あたしは村上だ。よろしく』



手を差し延べてきたのは、細身の、
しかも若い女だった



「え?
嘘だろ?」



斉藤は中島を見た


中島はニコニコしている




「こんな弱そうな奴が
オレの先輩だーなんて笑わせんなよ!!」



『なんだお前その態度は。
こっちがわざわざ握手してやろうとしてるのに、
いきなり文句か?』



村上はさらに手を突き出した



「けっ、藤野がうらやましいぜ…」


斉藤はいやいや村上に握手した

と思った瞬間


バーン!!


という音と同時に紙が舞った


斉藤は村上に、
机の上に投げられたのだ



「……え…」




『そのてめぇの腐った根性、叩き直してやる』


村上は斉藤の襟首を掴み、
自分の仕事部屋に引きずって行った





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