この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
刑事とJK
第21章 お前が教えてくれた
―――――――――――
「ほんと大きな工場ですね…」
目の前にドンと構える建物を
シゲは見上げた
「どこから入るんだ?」
藤野が隣に立つ斉藤にそう聞くと、
斉藤は前を向いたまま言った
「吉川にここの設計図を見せてもらった」
「見せてもらったって…
まさか全部覚えてるのか!?」
「ああ、こっちだ」
斉藤を先頭に、3人は
工場の裏手に回った
すると薄いドアがあった
斉藤は迷わずドアを蹴破る
「先輩、もうちょっと慎重に…」
「るせぇ」
どこに小泉やゆうひがいるのかもわからないのに、
この斉藤のめちゃくちゃな行動…
シゲはため息をついた
「斉藤、何焦ってんだ?」
「…あの時のデパートと、
この工場の作りは似てんだ…」
「…っ」
藤野は言葉に詰まった
村上さんが死んだ時のデパートと似ている…?
「?」
シゲはその頃はいなかったし、
刑事になってからもそんな話は聞かされたことがなかったので、
意味がわからなかった
「じゃあ小泉はもしかしたら…」
「3階にいるかもな」
斉藤たちは非常階段を
一気に駆け上がった
そして3階につくと、奥へ進んだ
パチパチパチ
誰かが拍手している
「やぁ、すごいすごい、
たった2分10秒で来れたね」
「…小泉…!!」
「えっ…」
シゲは初めて小泉を見る
「こんなに早く来るとは…
きっと真っ先にここを目指したんだね。
もしかして前会った時のこと、意識してた?」
小泉は笑った
「んなことはどうでもいい、
ゆうひはどこだ!?」
「わからないなぁ」
「ってめぇ!!!」
「あぁあ、待って待って」
斉藤が走り出そうとすると、
小泉は何かを突き出した
「これ、何でしょう?」
藤野は目を凝らした
「…スイッチ?」
「はい、そこのあんた正解。
これはこの工場内に仕掛けた爆弾の起爆スイッチ」