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刑事とJK
第22章 ごめん
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風が気持ちいい
ここから町中が見渡せるんだ…
ゆうひは刑事課の建物の屋上に来ていた
刑事課は全部で8階まであって、
その屋上にいるんだからなかなか高い
「何してんだ?」
ゆうひは振り返った
『斉藤…』
ゆうひはもう一度、景色を見た
『そっちこそ、何か用?
仕事中じゃなかったの?』
「休憩だ、休憩」
斉藤は手すりに肘を乗せて、
もたれかかった
『あっそ』
「何怒ってんだよ?」
『怒ってないし』
ツンとそっぽを向く
「もう、悪いとこはねぇのか?」
『うん。津森さんも、
もう家に帰っていいって言ってた』
「そうか…、体重は戻ったか?」
『うーん、まだ前よりは1kg軽いかなー…
って、そんなこと聞くなよバカ!!』
ゆうひはテテテっと走ってくると
斉藤の体を叩いて、またもとの位置に戻った
「なぁ、ゆうひ…」
いきなり真面目な声になったので、
ゆうひはドキッとした
『なっ…何よ…?』
斉藤の様子をチラッと見る
「いや、やっぱ…なんでもねぇよ…」
『はあ?』
「とりあえず、元気になってくれてよかった」
『…うん///
あ、ねぇ、斉藤…』
「ん?」
『明日、また公園で会おうよ』
ゆうひは笑った
その笑顔は、何の屈託もなかった
斉藤はその顔を見て微笑む
そしてゆっくり下を向いてこう言った
「オレら…もう会うのやめにしねぇか…?」
ゴオォ と、強い風が吹いた