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刑事とJK
第29章 体育祭
緊張する…
ゆうひと斉藤は並ぶ
他のペアも、その横に並ぶ
すると斉藤はトントントントンと、
一定の速さでゆうひの肩を叩き始めた
『…わかった///』
ゆうひもその速さに合わせ、
斉藤の肩を指でトントントントンと叩いた
〈位置についてー…〉
トントントントン…
〈よーい…〉
トントントントン…
パンッ
ゆうひと斉藤の足は、
予想以上にスムーズに動いた
他のペアが「せーの」と息を合わせる手間もかからず
ゆうひはまるでひとりで
走っているくらい身が軽く感じた
テープを二人で切り、切った瞬間コケた
「いってー!!!」
紐が引っ張れて足首が痛い
痛いが、ゆうひは笑えてきた
『ふふっ、はははっ///』
「何笑ってんだよ!?
こんなにいてぇのに…お前、まさかM…」
『違うっつの!!』
ゆうひは斉藤を叩いて、
足が痛くないくらいの位置まで斉藤に寄った
『だって、ははっ、一位だし、
コケたし、ははははっ///』
「ほんとに…大丈夫か?
頭打ったのか?」
斉藤はゆうひの頭を触った
『打ってねー、ふふっ、
あんたテープ切った瞬間止まんないでよぉ』
「あ…わりぃ…」
『ふふふっ、もうダメ、ほんとウケるっ』
二人三脚なのに、
本当にひとりで走ってるような気分だった
ひとりで走ってる気分なのに、
ひとりで走るよりも楽しくて、嬉しくて、気持ち良くって…
このままずっと一緒に走っていたいと思ったから、
ゆうひはテープを切った後も足を止めなかった
そのせいでコケたわけだけど…
こんな感覚は本当に初めてだった
『合わせてくれたんだよね、
ふふっ、ありがとう///』
「合わせて、ねぇよ」