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刑事とJK
第41章 船上の殺人事件
「どうした藤野…!!
何があった!!?」
斉藤は藤野の前でしゃがみ込んだ
そばでは江口が震えている
「…っつー…、あっちだ」
藤野は顎で方向を示した
斉藤はその方向へ駆けていく
そこでやっと会場には電気がついた
明るくなって、
藤野がケガをしていることに多くの客が気づいた
「きゃあああ!!!」
「出血してるぞ!!!」
藤野の周りには人が取り巻いた
その人の間をかい潜って、
真理子は藤野に抱き着いた
「泰輔…!!!」
「やめろ真理子…ドレスが汚れる…」
藤野は肩でグイッと真理子を押しのけた
「そんなことどうでもいい!!
誰か…、誰か手当てできる人…!!」
すると、船員が前に出て
「今すぐ船内治療室に連れていきましょう…!!
どなたか、手伝って下さい!!」
「…歩けるよ」
藤野は立ち上がった
真理子はその体を支える
船員に続いて治療室に向かう間際に、
藤野はシゲと目を合わせた
「…」
江口を見ていろ…ってことっすね?
シゲはコクッと頷いた
斉藤は辺りを見渡した
すると遠くに何やら白い物体が落ちている
変に思ってその物体のそばまで行くと、
落ちていたものは
タオルにくるまれた銃…
「っ…」
斉藤は胸元からハンカチを手にとり、
その銃を拾い上げた
「…サイレンサー式か」
道理で何も音が聞こえなかったはずだ