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刑事とJK
第43章 恋ガタキ
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斉藤と南が初めて会ったのは、
斉藤が刑事になってすぐの頃だった
「お前が、斉藤か?」
斉藤が村上のパシリで書類を運んでいるところに、
南が話しかけてきたのだ
「…そうっす」
そう言ってそのままその場を過ぎようとする斉藤
態度悪…
と南は思った
「弥生にいいように使われてるんだな」
「弥生って、誰っすか」
「おいおい、お前の先輩だよ…
村上弥生だ」
「ああ…あのババア…」
その発言に
南は顔を歪めた
「お前、今何て言った…?」
「何っすか、オレ忙しいんっすよ」
斉藤が去ろうとすると、
南は斉藤が持っていた書類をはたき落とした
「…、っんだてめぇ
ケンカ売ってんのか?」
「それはこっちのセリフだ。
次、弥生のことを悪く言ったら許さんからな」
「…あんた、弥生弥生って、村上の何だよ
別に恋人でも何でもねぇんだろ?」
二人は睨み合った
「俺は弥生の同期だ
一番弥生の姿を見てきた」
「きしょ
自分は全部知ってます的な言い方うざい
同期って、ストーカーの間違いじゃねぇんすか?」
その瞬間、
斉藤の顔に南のパンチが入った
斉藤は間を置かずに殴り返した
「ってめぇ!!!」
「やんのかコラ!!!」
そこからはもう恐ろしいほどのケンカが始まった
どうしたどうした、
とギャラリーが集まるが、止めようとする者はいない
…というより、止められる者がいなかった
ただ一人を除いて…