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刑事とJK
第48章 無人島サバイバル
「あ、キノコ発見」
藤野がしゃがみ込む
「…色悪くねぇか…?」
2、3本伸びたキノコは、
紫に赤の斑点がついている
ああ毒々しい…
「意外と派手な方が食えるんだぞ?
地味なやつほど毒持ってたりするし…」
『藤野さんが食べてくれたら、食べますよ?』
「…いや、やっぱりやめとこう」
「いいじゃねぇか、食えよ藤野」
「食わん!!
俺は食わん!!」
――――――――――
「何もないな…」
南は汗を拭った
「…」
飛鳥はキュッと南の服を掴む
「どうした?」
「虫が…いっぱい飛んでて…」
「大丈夫だ」
南は飛鳥のその手を握った
「イチャイチャしないでくれませんかー?」
シゲは不機嫌そうだ
「嘉山は彼女と離れ離れだったな、悪いなー」
南に詫びている態度はない
僕だって…千花さんと一緒にいたいっての!!
その時、
悲鳴が聞こえた
「!!」
南は悲鳴がした方へ走り出した
ツタや木の根っこが邪魔をして
うまく進めない
「ああくそっ」
少し空いた空間に出た
そこには小さな子供がいて、
蛇に囲まれている
「…っ」
南はそばに落ちていた太い木の枝を掴み、
今にも子供に飛び掛かろうとする蛇を追い払った
蛇はぐねぐねと体を揺らしながら
どこかへ逃げて行った
「ふぅ…」
安心した南のズボンを、何かが引っ張った
「?」
下を見ると、
今助けた子供が引っ張っていたのだ
子供は日本人ではなかった
こんがりと焼けた肌
大きな瞳
その目の下回りは
化粧のようなものが施されており、
髪は頭のてっぺんで
ひとつくくりにされている
しかし、嬉しそうにニコッと笑った顔は
かわいい子供だった