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刑事とJK
第51章 さよなら
「先輩、中島さんの話って何だったんすか?」
シゲは、いつもの書類整理に手をつけながら聞いた
「シゲ」
「はい?」
「一度しか言わねぇ、
よく聞いとけよ?」
シゲは慌てて手を止めた
「この部屋の鍵は、スペアがここに掛かっている
刑事課のハンコはこの引き出しだ」
斉藤は次々と説明していった
「はい
はい
はい…」
シゲは真剣に斉藤の動作ひとつひとつを
見て、聞いて、頷いている
「既に終わった事件に関しての書類は、
全部この引き出しの中だ。
日付はきっちり書いとけよ」
真剣なシゲの姿勢に、斉藤は少し感嘆した
真面目な奴だからな…
言うべきことを全て伝えると、
斉藤はまた部屋を出た
「…?」
なぜこんなことを突然言い出すのか…
シゲは不思議に思った
―――
斉藤が向かったのは、医療室だった
「よ、
あ、吉川もいんじゃねぇか」
吉川は、突き指したところを
津森に診てもらっていた
「お、斉藤だ」
「どうしたの?
また怪我した?」
斉藤は吉川の隣に座った
「吉川、顔デレデレさせてんじゃねぇよ」
斉藤は苦笑した
「させてねぇって」
吉川は津森にテーピングしてもらう
「はい、出来た
次の患者さん」
「オレは何となく寄っただけだ」
「はあ?何それ」
「津森、こいつ、彼女のナナちゃんと別れたらしいぞ
慰めてやってくれよ」
と、吉川の背中をパンパンと叩いた
「恵子ちゃん、慰めてくれるの?」
「馬鹿、名前で呼ばないでよ…///
あたし、こんな軽そうな男に興味ないっ」
「恵子ちゃんひでぇ
俺軽くないよ~」
「ああもう、引っ付かないの!!」
なんだかんだで嬉しそうな津森
「じゃあな」
斉藤は立ち上がって、出ていこうとしたが
立ち止まった
「津森」
「なあに?」
「お前ほどの名医はいねぇ」
「また、いつでも身体壊してらっしゃい」
「ああ」