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刑事とJK
第6章 馬鹿
「なんでお前…
こんなとこにいんだよ…?」
斉藤は体は動かさずに、
目だけでゆうひを見た
『あんたこそ…
なにボロボロになってんのさ…』
「ははは…
こいつら伸びちまってるな、
許してやってくれよ…」
『なんであんたがそう言うの?』
「神の鉄槌はもうくだりましたんで」
痛む箇所を押さえながら
斉藤はケラケラと笑った
『…馬鹿』
「あ?」
『あんた…馬鹿よ…
馬鹿…バカ…』
ゆうひの目は潤んでいる
「心配、してくれたのか…?」
『するわけないじゃん!!
アホですか、あんたアホですか!?」
バシッと頭を叩く
「ぎゃああ!!」
『ああ、ごめん!!
血が出てんの忘れてた!!』
慌てて斉藤に触れ、
気づいた
『…熱い?』
顔も、吐く息も、
異常に熱かった
『熱あるんじゃないの!?』
斉藤はゆうひの手を払いのけた
「ねぇよ」
『信じらんない、
こんな熱持って5人も相手してたわけ!?』
「ねぇってば」
『うっさい!!』
ゆうひは斉藤を一喝し
斉藤は小さくなった
『どこまでバカなの…
そんなんだから…怪我しちゃうんだよ』
上ずった声に、
斉藤はこわごわ顔を覗き込む
「…泣くなって」
『泣いてない!!』
バシッ
と再び頭を叩いてしまった
「ぎゃあああ!!!」
『ご、ごめ…』