この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
刑事とJK
第58章 4つの事件
―――――――――――
「山崎さん、どうしますか?
一億なんて金、どうやって…」
「人命最優先だぁからねぇ…
犯人を怒らすようなことは、出来ないねぇ」
山崎はやれやれといった感じで、首を振った
「しっかり、一億用意しよぅか」
山崎は警官に指示を出した
そのあとスピーカーを手に取り、
建物に向かってしゃべった
〈犯人さん、聞こえるかなぁ?〉
建物の窓から、
覆面をかぶった男が顔を出した
〈君たちの要求通り、一億円は用意するから
人質に手を出したらだめだよぉ?〉
「…」
男は一旦、出した顔を引っ込めた
代わりに、別の誰かが顔を出した
「…千花…さん」
シゲは愕然とした
―――――
「痛うございます!!
何をなさるのですか!?」
男は千花の首元を掴み、
頭を窓から出させた
「俺の代わりに、あの警察たちに話せ」
「何を話せと…」
「今から俺が言うことをだ。
ただし、
いらねーこと言ったら、
あんたはもちろん、ガキ共の命もないと思え」
男の言葉に嘘は感じられなかった
子供たちのためには、
勝手なことをしたらだめだ
千花は仕方なく下を向いた
「…!!!」
――――――シゲさん…!!!
地上にはシゲがいた
思わず名前を叫びそうになったが
"ガキ共の命もないと思え"
と言う言葉を思い出して
口をつぐんだ