この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
刑事とJK
第61章 二人の始まり
―――――――――――
―――――――――――
5月の終わり頃になった
斉藤は一人、あの公園を歩いていた
日曜なのに珍しく、誰も来ていなかった
まあ、今はその方が気持ちが楽かもしれない
まさか、
いい年した大人が、一年の半分くらいをこの公園で過ごした
なんて誰が思っただろう
ふと、小犬の墓へ目をやった
「あ…」
小犬の墓には、一輪の花が咲いていた
斉藤は花の名前なんて、
せいぜいチューリップかタンポポくらいしか知らない
いや、もうちょっとあるか…
そんなことはどうでもいい
ただ、小犬の墓に咲いた花は、
他のどの花よりも凛としていた
「そういやぁ…」
この公園で最初に出会ったのは、お前だったな
犬っころ
足元におしっこなんてされて、
オレが怒ってお前をシバこうとしたんだ
そのせいでゆうひに出会ったわけで
斉藤は公園の真ん中に立った
どこか温かい風が心地好い
ここで、ゆうひに突き飛ばされた
可愛い顔のくせして、
性格の悪さは一級品だったな
斉藤は苦笑した