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刑事とJK
第9章 もう会えないのか



――――――――――――



「うぃーす」


斉藤は扉を開けた


「あ、風邪ひきの斉藤」



さっそくそんなしょうもない名を
つけられてしまった





「先輩!?あれ、今日休みなんじゃないんすか?
ってか体は大丈夫っすか?」



「治ったし、仕事しに来た」



斉藤は机に向かい、
さっそく書類整理にかかった



なぜ最近は書類整理ばっかりなのか?


それは前まで怠けてた分が
今になって返ってきやがったからだ





黙々と作業をする斉藤を、
シゲは感心して見ていた



(あの先輩が、僕に言われることなく
自分から仕事をちゃんとするなんて…)




「雪でも降るんじゃないですか」


「ああ?」


「ごめんなさい…」






PLLLL… PLLLL…


ガチャ


「はい刑事課の斉藤ですが―…」






《あ、津森よ~
今日仕事に来るとは思ってなかったわ》



「…で?」



《頭に傷薬を塗りたいから、
医療室来てほしいんだけど…》



「忙しいから無理、じゃあな…」



《ばい菌入ってたら腐ってくるわよ?》



電話を切ろうとした手を止めた




「…行けばいいんだろ、行けば!!」



ガチャン!!
と荒々しく受話器を置く




「先輩、荒れてますね~
あ、そーだ、今日もパトロールついでに
ゆうひちゃんに会いに行きますか?///」




「あいつはもう来ねぇよ」



「え…?」



ポカンとするシゲを余所に、
斉藤は医療室に向かった






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