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マイバトラー
第1章 執事との出会い

忠誠を誓う騎士のような仕草。
手の甲に感じた熱は一瞬だったのに。そこから熱が移ったかのように頬が熱い。


「おや?意外な反応ですね」

「…手離して」

「嫌だ。と言ったらどうしますか?」

「っ、いいから!離して!」

「宗次郎様に貴女が女の子らしくしていて欲しいと言われていたので、どれ程かと思えば。素直で可愛らしい」


からかわれてる。バカにされてる。文句の一つでも言ってやりたいのに。

そのまま掴まれていた手を引かれて引き寄せられると、男の腕があたしの腰を抱いた。

突然のことに言葉が出てこない。


「な、に…して…」


抱き寄せられたかと思えば、今度は顎に指をかけてあたしより頭一つ分ほど高い位置にある男の顔の方へ向かせられる。

真っ直ぐにあたしを見つめる瞳。あたしの何かを見透かされてるような気になる。
身体が動かない。呼吸の仕方が分からない。

その瞳を細めて、形のいい唇の両端が少し上がって。鳥肌が立つくらいに美しく微笑んだ後。


ゆっくりと唇が重なった。


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