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マイバトラー
第2章 パーティー
「ねぇ、どうしても行かなきゃダメ?」
鏡台の前に座るあたしの髪の毛を手際よく束ねてアップスタイルに仕上げていく。
「美緒さまも出席すると先方に伝えてあるんですよ。急に行かれないなんて宗次郎様のお顔がたちません」
「もう!今日はみたいテレビがあったのに!」
「ちゃんと録画しておきました」
「そうじゃない!リアルタイムでみることに意味があるの!」
「はいはい。仕上がりましたよ」
文句を言うあたしの相手をしつつも、しっかりと仕事をこなす村上。
後ろ見鏡で出来上がったセットを見せてくれた。
すっ、すごい!今日はサイドには編み込みまで!
「……そのお顔はやめていただけませんか?」
「いや~、まぁね。なんでも出来すぎてちょっと引くよね。だってこのドレスもあたし試着してないのにサイズもピッタリだし」
あたしが忙しくて選びに行く暇がなかったから、今日のドレスを用意したのは村上だったのだけど。
採寸したかのように体にフィットした、オフショルダーの深紅のロングドレス。おまけに色も形もあたしの好み。
「ドレスを選ぶなんて容易いことです。貴女の身体のサイズなら私が一番知っているはずですからね。最近バストも」
「村上!やめて!分かったから!」
鏡越しに満足げに笑う男が執事になってから一年と少し。あたしは彼に振り回されっぱなしだ。