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マイバトラー
第2章 パーティー

今までならプロに任せていたようなことも、村上は簡単にやってのける。
何を頼んでも何をやらせても器用に完璧にこなす。
ヘアセットなんかお手のもので、料理だって生花だってあたしより上手だし。

隙のない彼は未だに謎が多い。

25歳の帰国子女。血液型はA型。

あたしが知っていることはたったこれだけ。
ここに来る前に何をしていたのか聞いたことはあるけれど、いつも上手いことはぐらかされる。

パパに聞けば少しは分かるかもしれないけど、本人が言いたがらないことを他人から聞くのはさすがに気が引けるし聞かないでいるけど。

「村上って苦手なことある?」

「ありますよ。たくさん」

「例えば?」

「どうしましたか?突然に」

「だってなんでも出来ちゃうから」

シンプルなパールのネックレスをあたしの首につけながらクスクスと笑ってる。

「苦手なことはあっても出来るだけ見せないようにするもんですよ。男ならば尚更」

ほら、ね。
質問には答えてくれるけど、少し的を外してくる。
分かってはいたけど面白くない。


「では、私も準備をしてまいります」

「え?準備?」

「ええ、今日は貴女のエスコート役も頼まれていますので。30分後に出ますのでそれまでお待ち下さい」


ーーきっちり30分後。現れた村上に思わず息を飲んだ。
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