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呟きたい
第28章 姿勢③
「こうしろ、ああしろ、言わないけど察しろ……」
「出た。知るかフレーズ」
「僕基本命令聞かないんだけどさ」
「おう。知ってる」
「なんていうんだろ……こういうの言う人が目上だとさ、虚しくなるよね」
「相手の状態にもよるけどな」
「なにかを創る。零から。そのときに素材となってるのは作り手の脳と周りの態度。でもその比率は明らかに違う」
「脳が九割、か?」
「七割かな」
「意外にすくねえのな」
「それでも三割は大きい。そこから波が入ってくる。命令、要望、期待、幻滅……勝手な波が何度も何度も」
「たまに嵐も引き連れてな」
「そう。なんでって位大きかったりね」
「波は要らねえかっつうとそうでもない」
「うん……面倒だ。死ねばいいのに」
「おい」
「そう一蹴できればさ、楽なのに」
「……」
「イイも悪いも心臓に悪い。全部無視できちゃえは傷つくこともない。眠っている少女みたいにいつまでも穏やかに……けど」
「その虚しさも知っている」
「どしたの、直輝。冴えてるね」
「オレも色々経験してっからな」