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呟きたい
第31章 吐露①
「本名検索するとさ」
「はい?」
「いや。よくあるでしょ? 自分の名前をネットで検索したら同人誌で犯されてる女の子の名前だったり、殺人鬼の名前だったりさ」
「ああ、あれも興味深いですよね。俺もよく検索して遊びました」
「名前の盗作って一体なんの意味があるんだろうね」
「ですね。だってよく出来るなって感じじゃないですか? 原作のイメージがいつまでも付いてくるんですよ。書きづらくて仕方なくないですか」
「ね。だから探してるんだよね。僕以上の印象ある類沢雅」
「まだいないんですよね」
「いないね」
「あ、メモ」
「普通に雑談しちゃったね。だって余りに可笑しいからさ」
「類沢さんも吐き出してください。えーっと、ファンから批判者に移行する面倒さ、ですか。ああ、これはこの世で面倒ベスト3に入ると思いますよ」
「ファンから批判者、ね。恋人からストーカーに近いよね」
「ああっ確かに」
「怖いよね」
「そう考えると恐ろしい。下手に知識があるんですからただの罵詈雑言じゃない分五月蠅いんですよね」
「ここでも一時期盛り上がってたよね。特定作者に対する議論でさ」
「あー、よく覚えてないです」
「興味なかったからね」
「はい。でも……俺にはわかんないんですよね。嫌いなものをわざわざ調べて、掲示板とかで話題に上がるや大量にぶちまけていくタイプの人間」
「そう? 嫌いなものほど目につくって言うくらいだからよくあることだと思うよ」
「恋人からストーカーがですか!?」
「話は付いてこようね、瑞希」