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呟きたい
第36章 コラボ雑談①
「まあこの組み合わせの何が面倒かってさ」
「ん?」
「オレら二人とも一人称オレじゃん。ややこしくね?」
「だなー。口調も似てるしな」
「既にどっちが喋ってっかわかんねーし」
「金原でーす」
「さらっと嘘つくな。オレが金原だ」
「まあいいじゃん。でもさ、金原って外見マジ地味だよな」
「言うなよー……それでホストの方でもなんか謎めいたまじめキャラになっちまってんじゃねえか。一応派手に生きたいんだよオレは」
「ピアスも全然だし。開けてやろっか」
「ちょっ、待て。やめろっ」
「痛くないって」
「なんでピアッサー持ってんの!? 常備してんのっ?」
「してるけど」
「ウソだろ……」
「ウソだろ?」
「やめろよマジ……弟の方がいい子に見えてきたわ」
「はっ。あいつのが数倍オレよりやべえぜ」
「兄弟喧嘩負けんの?」
「負けねえよ」
「じゃあ、なんだよ」
「てか、まず喧嘩ってのしないか」
「しないのかよ!」
「互いにあんまし干渉してなかったからなー」
「そんなもんか? 兄弟って」
「お前、いねえの?」
「……いねえよ。瑞希もアカも妹いるのにオレはぼっちだよ」
「やっぱ欲しかったのか?」
「そりゃな!」
「もしいたとしたらどれよ? 兄か弟か姉か妹か。オレは妹欲しかったなー。こうちっちゃくて『おにいちゃん♡』なんてハートつけて呼んでくれる感じの」
「よく言うけどそれファンタジーだろ」
「うっせ。妄想でぐらい夢見させろ」
「オレはそうだなー……兄貴かな」
「なんで」
「こう、頼りになんじゃん?」
「目の前に頼りになってねえ兄貴がいるだろうが」
「そう自虐的に言わなくてもいいだろうが」