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呟きたい
第5章 振り返れ2012
「次誰? 誰だよ!」
「僕だけど」
「わわわ、類沢さん! スミマセン、どうぞ!」
「死ぬなよ……三嗣」
「はは、一夜が庇ってあげないと」
「ムチャ云うなよ、瑞希」
「十二月だから、あのラブソングだね」
「似合うな」
「瑞希、聴いてた?」
「類沢さん上手すぎですよ」
「まさか忘年会にカラオケに来るとはね」
「全くだ」
「篠田チーフ! いつの間に」
「コイツに呼び出されたんだよ」
「ハーイ、春哉久しぶりね」
「蓮花さん……」
「てことは、親友も来てるんですか」
「あぁ、鏡子さん? 栗鷹夫婦で過ごしているはずだよ」
「てことは蓮花さん、一人で来たんですか」
「みたいだね」
「まぁ、アイツは男が何人いてもヤられないからな」
「チーフ……」
「それだけ強いってことを知ってるんだよ」
「千夏さん!」
「や、瑞希。歌ってる?」
「あっ、おい! 千にぃ、遅すぎ」
「三嗣が寂しがってたぞ」
「寂しがってねぇし」
「三嗣、メドレーいこうか」
「よっしゃ」
「はははは、元気だね」
「類沢さんは他に歌わないんですか」
「ていうか、そろそろ蕎麦頼もうよ」
「カラオケでですかっ」
「瑞希はいらないの?」
「いえ、欲しいです」
「蕎麦が……七人前な」
「え、チーフ! 注文ありがとうございます!」
「いんだよ。会計は雅なんだから」
「あれ? 聞いてないけど」
「十人前にしてよー。三人追加だからさぁ」
「雛谷さん?」
「ハーイ、類沢さん。紫苑と恵介もいるんだけどね」
「おわっ。人多いっすね」
「俺は静かに蕎麦が食いたいんだが」
「空気読んでよ、紫苑」
「空気読むのはお前だ、空斗。何しにきた」
「つれないなぁ、篠田さん。混ぜて下さいよ。年の瀬くらい」
「悪いが」
「いいんじゃないの」
「雅?」
「追い返しても帰らないし、この人たち。あと、面倒だから」
「く…まぁ、いい」
「類沢さん! もう日付変わります!」
「瑞希、こっち」
「え……んッ」
「わーお」
「おい」
「2013もよろしく」
「不意打ちすぎですっ」
「あはは」
「来年は…」
「落ち着け。空斗」