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呟きたい
第8章 おかえりなさい
「なんだこのタイトル……誰もいないし。俺一人か。え……? もしかして」
「そのもしかして」
「類沢先生!」
「ただいま、瑞希」
「おかえりなさい!」
「拍手が100突破したって?」
「えっ、あ、本当だ」
「信じらんないね」
「みなさま、ありがとうございます。こんな自由トークばっかに」
「これからもよろしくね」
「あの、先生」
「ナニ?」
「どこ行ってたんですか?」
「コレ、買いに」
「へ? うわっ、なんですか。この高級そうなチョコのセットは」
「そう、じゃなくて高級なの」
「わぁー……フランス語だし」
「選んで来たんだ」
「ありがとうございますっ」
「で?」
「はい?」
「瑞希は?」
「あ、はい……えっと。その」
「そのもしかして?」
「いえっ! あるにはあるんですけど、そのー……手作りっていうかなんていうか」
「瑞希が?」
「あっ。笑いましたね。食べてみてから決めて下さいよ!」
「笑ってないよ」
「笑ってますよ」
「へえ。ブラウニー?」
「一応、美里が作ってたの参考にして、ちゃんと分量も計って」
「はいはい」
「あーっ! なんで今食べるんですかっ。類沢先生の料理に比べものになんないのに」
「食べてみてから決めてって云ったのは瑞希でしょ」
「そうですけど! それは、ほらメールとかで言えばいいのに」
「甘い」
「はい?」
「うん。美味しいよ」
「は……へ? 美味しいですか」
「ちょっと焼き過ぎてるけど、美味しい」
「あ、はい。えと、その……良かったです。るっ、類沢先生のチョコも美味しいですよ!」
「あははは。それはそうだろうね」
「……何やってんだ、あれ」
「圭吾、行っちゃいなよ」
「今じゃましたら、殺されそうだからな。アカ、行けよ」
「やだ」
「この大量の代理チョコどうする」
「類沢センセも瑞希も自覚が足りないんだから。ここに置いとこうよ」
「いいのか?」
「いいよ、面倒臭いし」
「あたしの、一番上にね」
「有紗!」
「猪こそ、今行けよ」
「バカ哲。あたしだって空気くらい読めるし」
「誰がバカって?」
「お前らはバレンタインくらい仲良くしろ」