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呟きたい
第13章 雑談①

 「最期に隣にいるのって誰なんでしょうね」

 「僕の場合は敵の残骸ってとこ?」

 「そんなこと言ったら俺なんて観光客に囲まれて、ですよ」

 「それ、いいねえ」

 「いいですか? 類沢さんの奥さんとか……想像できない」

 「奥さん? 奥さんね……いないんじゃないの?」

 「えっ! 類沢さん結婚願望ないんですか。もうアラサーなのに!」

 「煩いよ」

 「すいませんっ!」

 「そうだね……もう29だからね」

 「今まで結婚しようと思った人はいないんですか」

 「恋人ってつくらないから」

 「えっ。あー、でもそんな感じですね」

 「いつでも隣にいるだけで安らかな気分になれる人は欲しいけどね」

 「チーフですか」

 「なんで篠田が出てくるの?」

 「仲好いですから……」

 「近いのは瑞希だよ」

 「えっ……え! うぁい!?」

 「あはははっ、真っ赤だよ」

 「おっ、俺には河南がいますから」

 「さっきの想像に戻ってみたら? 隣にいるのは河南ちゃん?」

 「う……えーと。んん~」

 「面白い顔」

 「バカにしないでくださいよっ。類沢さんがやれって言ったんでしょうが!」

 「そんな真剣に悩むこと?」

 「まだ俺二十歳ですもん。そんな瀬戸際なんてはっきり見えませんし……って、どうしたんですか?」

 「いや。瑞希ってまだ二十歳だったんだなあって思って」

 「感慨に耽ることでもないでしょう」

 「若いね」

 「類沢さん、俺の歳の時なにしてたんですか」

 「それはタブーかな」

 「えっ」

 「マスクしてても片桐ちゃんがNGって指示出してるから。ほら、あそこで」

 「早く寝てくださいっ!」
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